【2020民法改正】民法総則の全38論点総まとめ!【令和2年行政書士試験】

17、無権代理人の責任の規定の変更


第117条
他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明したとき、又は本人の追認を得たときを除き、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。 2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知って いたとき。 二 他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が過失に よって知らなかったとき。ただし、他人の代理人として契約をした者が自己に代理権がないことを知っていたときは、この限りでない。 三 他人の代理人として契約をした者が行為能力の制限を受けていたとき。

1項は表現を変え、より規定を明確にするよう変更されました。 2項にはただし書が追加されました。相手方に過失がある場合でも無権代理人自身が悪意である場合には、 無権代理人は免責されないことが新たに規定されました。

18、取消権者の規定の変更


第120条
1 行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者(他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為にあっては、当該他の制限行為能力者を含む。)又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。

1項の「制限行為能力者」という文言が、「制限行為能力者(他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為にあっては、当該他の制限行為能力者を含む。)」と変わりました。 また、錯誤の効果の変更に伴い、2項の冒頭に「錯誤、詐欺」が追加されています。

19、取消しの効果の規定変更・原状回復義務に関する規定の新設


第121条 (旧)取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。 ただし、 制限行為能力者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。


(新)無効な行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、相手方を原状に復させる義務を負う。 2 前項の規定にかかわらず、無効な無償行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、給付を受けた当時その行為が無効であること(給付を受けた後に 前条の規定により無効であったものとみなされた行為にあっては、給付を受けた当時その行為が取り消すことができるものであること)を知らなかったときは、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。
3 第1項の規定にかかわらず、行為の時に意思能力を有しなかった者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。行為の時に制限行為能力者であった者についても、同様とする。

契約が無効になった場合、これまでは不当利得の規定を援用で対応しており、学説も分かれていた箇所でしたが、今回の改正で明文化されました。

20、取り消すことができる行為の追認の規定の変更


第122条
取り消すことができる行為は、 120条 に規定する者が追認したときは、以後、取り消すことができない。 ただし、追認によって第三者の権利を害することはできない。

同規定が第条の第項に新しく置かれたため、但書が削除されました。

21、追認の要件の規定の変更と削除


第124条
取り消すことができる行為の追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅し、かつ、取消権を有することを知った後にしなければ、その効力を生じない。 2 次に掲げる場合には、前項の追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅 した後にすることを要しない。 一 法定代理人又は制限行為能力の保佐人若しくは補助人が追認するとき。 二 制限行為能力者(成年被後見人を除く。)が法定代理人、保佐人又は補助人の同意を得て追認をするとき。
三 前二項の規定は、 法定代理人 又は 制限行為能力者 の保佐人若しくは補助人が追認をする場合には、適用しない。

「取り消すことができる法律行為の追認をするには、法律行為を取り消すことができるものであることを知ってする必要がある」という判例が明文化されました。 また、追認一般についてその行為自体の了知を必要としたことに伴い、制限行為能力者のみについて記述していた3項は削除されました。

22、条件成就の妨害に関する規定の新設


第130条
条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意にその条件の成就を妨げたときは、相手方は、その条件が成就したものとみなすことができる。 2、条件が成就することによって利益を受ける当事者が不正にその条件を成就させたときは、相手方は、その条件が成就しなかったものとみなすことができる。

1項を類推適応していたアデランス事件の判例が明文化されました。故意に妨げた場合に加え、故意に成熟させた場合について規定が置かれました。

23、時効の援用の規定の変更


第145条
時効は、当事者 (消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。) が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。

時効を援用できる「当事者」がカッコ書きで明文化されました。
24、裁判上の請求等による時効完成猶予及び更新事由の規定の新設
次のページへ 

7件のピンバック

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です